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07/02/2024 | Press release | Distributed by Public on 07/01/2024 22:05

【ゲリラ雷雨傾向2024】ゲリラ雷雨はおよそ8.7万回発生、ピークは8月中旬の予想

ニュース

2024.07.02

ウェザーニューズ、「ゲリラ雷雨」の予想発生回数を47都道府県別に発表

【ゲリラ雷雨傾向2024】ゲリラ雷雨はおよそ8.7万回発生、ピークは8月中旬の予想

~平年より暑い夏、気温上昇と湿った空気の流れ込みでゲリラ雷雨発生数が増加~

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ雷雨」(※1)に対し、事前対策への意識を高め被害軽減につなげるため、「ゲリラ雷雨傾向2024」を発表しました。7〜9月のゲリラ雷雨は、全国でおよそ87,000回発生する予想です。昨年と同程度の発生回数となり、過去5年平均と比べるとやや多くなる見込みです。発生のピークは8月中旬の見通しです。突発的かつ局地的なゲリラ雷雨に備えて、随時最新の雨情報をご確認ください。毎年、突然の激しい雨やひょう、落雷などによる被害が全国各地で発生しています。ウェザーニューズでは、少しでも被害を減らすべく、継続的に情報を発信していきます。

ウェザーニュースウェブサイト「ゲリラ雷雨傾向2024」
https://weathernews.jp/s/topics/202407/020085/

ゲリラ雷雨発生傾向2024

<発生回数:全国の総発生回数は約8.7万回>

[Link]図1. ゲリラ雷雨 予想発生回数

2024年7~9月のゲリラ雷雨は、全国でおよそ87,000回発生する予想です(図1)。全国の総発生回数がおよそ93,000回だった昨年と同程度となり、過去5年平均と比べるとやや多くなる見込みです。
北日本では昨年よりも発生回数が少なくなる予想です。特に北海道と青森県では昨年の半分以下の発生回数となる見込みです(図2)。西日本と東日本では昨年並の発生回数のところが多く、東京都では1,050回(昨年比1.0倍/例年比1.0倍)、愛知県では1,470回(昨年比1.0倍/例年比1.1倍)、大阪府では730回(昨年比1.5倍/例年比1.7倍)となる予想です(都道府県別の数字は表をご覧ください)。
雨雲の発生は山沿いが中心となりますが、発生した雨雲が平野部(都市部)へ流れ込んだり、直上で雨雲が発生したりすることもあります。一回のゲリラ雷雨でも、激しい雨による冠水や浸水、ひょうによる被害、落雷による停電や交通機関への影響など様々な被害が懸念されます。随時最新の雨情報をご確認ください。

[Link]図2. ゲリラ雷雨 予想発生回数(昨年比)
[Link]図3. ゲリラ雷雨 予想発生回数(過去5年平均比)

<発生時期:8月中旬に多く発生>

[Link]図4. 7〜9月のゲリラ雷雨発生傾向

ゲリラ雷雨は、気温の上昇や湿った空気が流れ込むことで、大気の状態が不安定になる時に発生しやすい現象です。今シーズンのゲリラ雷雨は8月中旬に発生しやすい見込みです(図4)。
梅雨明け後の7月下旬から晴れる日が多くなり、ゲリラ雷雨の発生回数が増えてくる見込みです。8月は日本付近を太平洋高気圧とチベット高気圧が重なるように覆います。このため気温が上がりやすく、今夏も暑さが厳しくなる予想です。二つの強い高気圧に覆われると雨雲の発生は抑えられるものの、中旬は一時的に高気圧の勢力が弱まるため、湿った空気が流れ込みやすくなります。このため、急な雨雲の発生・発達が起きやすくなる見込みです。9月も残暑が厳しいためゲリラ雷雨の発生が予想されますが、台風や秋雨前線の影響を受けやすい見込みです。このため、突発的かつ局地的なゲリラ雷雨の発生は徐々に減少していき、ゲリラ雷雨のシーズンも終息に向かう見通しです。

<要因:気温の上昇と湿った空気の影響で発生するパターン>

[Link]図5. 2024年ゲリラ雷雨発生パターン

今シーズンは、日本付近は太平洋高気圧とチベット高気圧に重なるように覆われる予想です。このため晴れて気温が上がりやすくなります。強い高気圧に覆われていると雨雲は発達しづらくなりますが、一時的に二つの高気圧の勢力が弱まるタイミングがあり、湿った空気が流れ込みやすくなります。このため、気温の上昇と南から流れ込む湿った空気の影響でゲリラ雷雨が発生するパターンが多くなるとみています(図5)。

エリア別のゲリラ雷雨傾向

北日本

北日本のゲリラ雷雨の総発生回数は約15,000回の予想です。約25,000回発生した昨年と比べると、およそ0.6倍で少なくなる予想です。道県別にみると昨年を下回るところが多く、北海道や青森県では昨年の半分以下の見込みです。

今年は強い高気圧に覆われるため、雨雲の発生や発達が抑えられ、発生数が少なくなります。気温の上昇の影響で大気の状態が不安定になることで、山沿いでゲリラ雷雨が発生するパターンが多くなる見込みです。発生ピークは8月中旬の見込みです。

[Link]※クリックすると拡大します

東日本

東日本のゲリラ雷雨の総発生回数は約28,000回の予想です。約25,000回発生した昨年と比べると、およそ1.1倍で昨年と同程度の発生回数となりそうです。

梅雨明け後、7月下旬からゲリラ雷雨の発生回数が増えてきます。今年は強い高気圧に覆われるため、雨雲の発生や発達が抑えられる予想ですが、8月中旬は一時的に高気圧の勢力が弱まる見込みです。このため、特に8月中旬にゲリラ雷雨の発生回数が多くなる見通しです。気温の上昇と湿った空気の影響で大気の状態が不安定になることで、ゲリラ雷雨が多く発生します。

[Link]※クリックすると拡大します

西日本

西日本のゲリラ雷雨の総発生回数は約40,000回の予想です。約37,000回発生した昨年と比べると、およそ1.1倍で昨年と同程度の発生回数となりそうです。

梅雨明け後、7月下旬からゲリラ雷雨の発生回数が増えてきます。今年は強い高気圧に覆われるため、雨雲の発生や発達が抑えられる予想ですが、8月中旬は一時的に高気圧の勢力が弱まる見込みです。このため、特に8月中旬にゲリラ雷雨の発生回数が多くなる見通しです。気温の上昇と湿った空気の影響で大気の状態が不安定になることで、ゲリラ雷雨が多く発生します。

[Link]※クリックすると拡大します

※1 「ゲリラ雷雨」について
本プレスリリースでは、「局地的大雨」を指す言葉として「ゲリラ雷雨」という言葉を使用しています。一般あるいはメディアでよく使用されている「ゲリラ豪雨」と同義です。

※2 「ゲリラ雷雨」発生回数の求め方
[Link]「ゲリラ雷雨」をもたらす雨雲・雷雲は"突発的"かつ"局地的"に発達するのが特徴で、予測が難しいとされてきました。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた"ザーザー"以上の降雨報告(※3)と、その時の気象データの分析結果から、ユーザーがゲリラ雷雨と感じる雨の時間変化の基準値(表1)を求め、求めた基準値をもとに10km四方でゲリラ雷雨をカウントしています。

表1:「ゲリラ雷雨」判定基準

時間(分前)

閾値

0

11mm/h以上

10

14mm/h以下

20

3mm/h以下

30〜40

1mm/h以下

50〜120

0mm/h以下


※3 降雨報告について
スマホアプリ「ウェザーニュース」を通し、"ポツポツ"、"パラパラ"、"サー"、"ザーザー"、"ゴォー"の5段階で報告されます。

都道府県別のゲリラ雷雨傾向

都道府県

2024年

2023年(回)

過去5年平均(回)

発生回数(回)

10km四方ごとの発生回数(回)

2023年比(倍)

過去5年平均比(倍)

北海道

4310

4

0.4

0.7

10665

6040

青森県

740

7

0.4

0.7

1820

1010

秋田県

2230

19

0.9

1.4

2358

1580

岩手県

2410

15

0.8

1.3

3100

1840

山形県

1690

18

0.8

1.2

2182

1380

宮城県

1280

17

0.8

1.2

1575

1030

福島県

2770

21

0.8

1.0

3575

2650

茨城県

750

13

0.7

0.9

1044

870

栃木県

1520

24

0.7

1.0

2070

1500

群馬県

1840

30

1.0

1.3

1788

1370

千葉県

1440

27

1.4

1.7

1029

860

東京都

1050

60

1.0

1.0

1104

1010

埼玉県

1020

28

1.4

1.7

754

600

神奈川県

580

24

1.1

1.3

528

430

山梨県

970

23

1.1

1.4

852

710

長野県

2650

20

0.9

1.1

2988

2330

静岡県

2250

29

1.2

1.4

1949

1590

愛知県

1470

29

1.0

1.1

1478

1300

岐阜県

3010

28

1.1

1.2

2836

2490

三重県

2310

40

1.4

1.6

1605

1450

新潟県

3360

26

1.3

1.5

2645

2230

富山県

1050

25

1.0

1.2

1020

900

石川県

1030

24

1.1

1.2

951

840

福井県

1580

38

1.5

1.9

1062

840

滋賀県

1460

38

1.6

1.8

917

820

京都府

1800

40

1.6

1.7

1132

1080

奈良県

1970

56

1.5

1.9

1343

1030

兵庫県

2110

25

1.1

1.3

1835

1640

大阪府

730

39

1.5

1.7

488

430

和歌山県

1470

32

1.1

1.4

1288

1020

鳥取県

1870

28

1.6

2.3

1146

800

島根県

1890

55

0.9

1.4

2077

1400

岡山県

1970

28

1.4

1.4

1391

1360

広島県

2600

30

1.3

1.5

2064

1720

山口県

1490

23

0.9

1.1

1750

1300

香川県

590

29

1.2

1.5

511

400

徳島県

1270

32

1.3

1.7

952

740

愛媛県

1660

28

0.8

1.3

2025

1230

高知県

2140

31

0.9

1.5

2348

1470

福岡県

1980

40

0.9

1.5

2162

1350

大分県

1690

27

0.9

1.5

1816

1150

佐賀県

870

37

1.0

1.6

868

560

長崎県

1860

58

0.9

1.3

2004

1460

熊本県

1870

26

0.7

1.1

2640

1640

宮崎県

2570

35

0.9

1.4

2884

1830

鹿児島県

3960

58

1.0

1.5

3817

2720

沖縄県

4210

156

0.8

0.9

5154

4780

全国(合計)

87340

1540

0.9

1.3

93590

68780

* 本傾向は、ウェザーニューズの長期予報と類似年の過去データを元に、統計的に算出したものです。
* 発生回数は71日~930日の期間で算出しています。

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