IFC - International Finance Corporation

11/14/2024 | Press release | Distributed by Public on 11/13/2024 20:54

IFC、アジア太平洋地域において革新性と包摂性を追求し、2024年度は過去最高となる投融資額を達成

2024年11月14日、シンガポール―国際金融公社(IFC) は前会計年度、気候変動、ジェンダー不平等、食料不安、金融包摂などの差し迫った開発課題に取り組むとともに、地域全体で雇用の創出やサービス向上に努め、アジア太平洋地域全体に大きなインパクトをもたらしました。

新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関であり、世界銀行グループの一員であるIFCは、2024年6月30日に終了した2024年会計年度、アジア太平洋地域において123のプロジェクトに前年度比11%増の122億ドルを拠出しました。うち、自己勘定による長期融資が62億ドル、資金動員が33億ドル、貿易を促進するための短期貿易及びサプライチェーン・ファイナンスが27億ドルとなっています。

自己勘定による長期投融資のうち、36%は気候変動対応や海洋プラスチック問題に資するプロジェクトを対象としています。ベトナム初のブルーボンド初の現地通貨建てサステナビリティ・リンク債への投資インドにおける企業間電力購入契約(PPA)を通じた初の分散型発電融資インド企業による脱炭素化の取り組みインドフィリピンでのグリーンビルディングへの融資を目的としたサステナビリティ・リンク・ローン、マレーシアのグリーン・データセンター建設に向けた融資、東南アジアにおけるクリーンエネルギー投資に特化した公的、民間、慈善団体の資本を組み合わせた初のファンドへの投資などが含まれます。

さらに、零細・中小企業(MSME)の金融アクセスの改善を図るべく、地域全域の金融機関に融資とアドバイザリー・サービスを提供し、2百万件を超えるローンを実現させました。具体的には、モンゴル初のソーシャルボンドインド初のノンバンク金融機関によるオフショア資産担保の証券化ネパールにおける開発金融機関による初のジェンダー・気候関連融資などが含まれ、これらはすべてMSME融資の支援を目的としたものとなっています。

長期投融資プロジェクトの52%は、ジェンダー平等の向上に重点を置いています。プロジェクトには、IFCがタイの銀行の新規株式公開にコーナーストーン投資家として出資し、女性が所有または経営する小さな企業向けの新商品の開発を支援したものや、インド最大の民間銀行による女性向け融資の取組みの一環としてマイクロローンの提供拡大を支援したものなどが含まれます。

同地域における長期投融資プロジェクトの26%は低所得国か脆弱国、紛争影響国で実施されています。これにはバングラデシュにおいて女性向けの手頃な価格帯の住宅整備を目的とする同国史上初のハウジングボンド、そして歴史的に女性が少ないセクターへの女性の進出と活躍を支援するためにパプアニューギニアで実施されたプログラムなどが含まれます。

同地域におけるIFCの活動の極めて重要な成果のひとつは経済機会の創出です。2024年度の投融資を通じ、57万人以上の直接または間接雇用の創出が見込まれています。

「複雑に絡み合うグローバルな課題が続く中、IFCはアジア太平洋地域全体でイノベーションを促進し、民間セクターによる持続可能な解決策をこれまで以上に提供していきます。同地域の国々における喫緊の開発ニーズに対応する上で、民間セクターは引き続き重要な役割を担っています。昨年度IFCが手掛けたプロジェクトは、インパクトを最大化するべく的を絞った解決策を大規模に実施するという我々のコミットメントをさらに強固し、結果としてアジア太平洋地域の人々の生活や生計の向上をもたらすことが期待されます」とIFCのアジア太平洋地域担当副総裁であるリッカルド・プリーティは述べています。

IFCは革新的な金融ソリューションの先例となる案件も手掛けています。インドネシアのEコマースや配車サービス、金融サービスを手掛ける会社にメザニン投資の枠組みを活用して投資し、より多くの人々がデジタル経済の恩恵を受けられるようにしました。また、バングラデシュにおいて、危機的な外貨不足に対処するべく、IFCは製薬および食品加工セクターにおいて柔軟に米ドル建てで運転資金の融資を行いました。

また、製薬セクターにおいてIFC はバングラデシュスリランカにおける医療アクセスとレジリエンスの向上に向けた投資を行い、医薬品の製造能力の向上と、小売り拠点の拡大を通じた持続可能なサプライチェーンの構築を支援しました。