ADB - Asian Development Bank

11/12/2024 | Press release | Archived content

Multilateral Development Banks to Boost Climate Finance

アゼルバイジャン、バクー(2024年11月12日) - アジア開発銀行(ADB)は本日、国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)で開催されたアジア・太平洋革新気候変動金融ファシリティ(IF-CAP)のキックオフイベントにおいて、パートナーと共に気候変動ファイナンスへのコミットメントを表明した。

浅川雅嗣ADB総裁は、出席者に向けて、IF-CAPが世界で最も革新的な気候ファイナンスプログラムのひとつであり、アジア・太平洋地域の気候変動対策において重要な役割を果たすツールであると述べた。

浅川総裁は、「気候変動との闘いは私たちが生きる時代にとって極めて重要な課題である」とした上で、「この課題は、変革的かつ革新的で断固とした行動を必要とし、IF-CAPはそれを提供するものである。ADBは、国際開発金融機関として気候ファイナンスのイノベーションを牽引する役割を担っている。IF-CAPの乗数効果は4.5倍に達し、アジア・太平洋地域の気候変動対策に必要な数十億ドル規模の投資を引き出す力を持っている」と述べた。

浅川総裁と共に、IF-CAPパートナーの代表者として、ジョシュ・ウィルソン豪州気候変動・エネルギー担当補佐大臣、オーレ・トンケ・デンマーク開発協力担当次官、渡邉和紀日本財務省副財務官、チェ・ジヨン韓国企画財政部国際経済管理官、ハンス・オラフ・イブレック・ノルウェー気候・安全保障特使、マティアス・フルメリー・スウェーデン気候・企業省気候大使、デービッド・ラミー英国外務・開発大臣、アレクシア・ラトルチュ米国財務次官補、人と地球のためのグローバル・エネルギー同盟のウーチョン・ウム最高経営責任者(CEO)が出席した。

COP29議長国を代表して、アゼルバイジャンのADB総務であるサミール・シャリフォフ財務大臣も出席した。

IF-CAPは、総額25億ドルの保証を目標としており、ADBの既存の融資ポートフォリオの一部を対象にすることになる。この取り組みによって、アジア・太平洋地域向けの気候ファイナンスに、推計112億5,000万ドルのADBの資金が利用可能となる。ADBはこれまでに約22億ドルの保証を受け入れており、その内訳は、米国から10億ドル、日本から6億ドル(および2,500万ドルのグラント)、英国から2億8,000万ドル、オーストラリアから2億ドル、デンマークから途上国への投資基金(IFU)を通じて1億ドルである。IF-CAPは、リスク移転などの革新的なアプローチを通じた国際開発金融機関の融資拡大というG20の勧告に直接応えるものである。

ADBの「アジア太平洋気候報告書2024」 によると、アジア・太平洋地域が地球温暖化に適応するためには、年間1,020億ドルから4,310億ドルの資金が必要とされている。これは、2021年から2022年にかけて同地域に投じられた適応資金340億ドルを大きく上回る額となっている。

ADBは、同地域の気候変動投資ニーズに対応するため、2030年までに気候ファイナンスが年間コミットメント総額の50%に達することを目指している。また、2019年から2030年までの間に緩和と適応の両分野で累計1,000億ドル以上の気候資金を拠出することにコミットしている。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め69の加盟国・地域によって構成されている。