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08/09/2024 | Press release | Distributed by Public on 08/08/2024 22:04

全国的に厳しい残暑、9月は最も暑かった昨年に匹敵する高温のおそれ

ニュース

2024.08.09

ウェザーニューズ、8〜10月の暑さ傾向を発表

全国的に厳しい残暑、9月は最も暑かった昨年に匹敵する高温のおそれ

〜ダブル高気圧で8月下旬まで危険な暑さが継続、ラニーニャ現象で残暑が長引く予想~

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、「猛暑見解2024」を更新して本日発表しました。今年の8~10月の気温は全国的に平年より高く、特に9月は観測史上最も暑くなった昨年に匹敵する高温となる可能性があります。

太平洋高気圧とチベット高気圧が重なり合って"ダブル高気圧"となり8月下旬まで危険な暑さとなる時期がある見通しです。35度以上の猛暑日が続いたり、地域によっては40度前後の酷暑になったりするおそれがあります。秋にはラニーニャ現象が発生する可能性があり、9月以降も残暑が厳しくなります。こまめな水分補給などの暑さ対策をしっかり行い、熱中症には十分ご注意ください。最新見解は、「ウェザーニュース」アプリやウェブサイトからご確認いただけます。

最新見解はこちら「ウェザーニュース」ウェブサイト 「ウェザーニュース」ウェブサイト 「熱中症情報」
https://weathernews.jp/ https://weathernews.jp/s/heatstroke/

"ダブル高気圧"で8月下旬まで危険な暑さが継続、9月以降もラニーニャ現象で残暑が長引く予想

7月の日本の平均気温は速報値で昨年を上回り、過去最高の記録を更新しました。特に上旬と下旬には最高気温が40度に達した地点があるなど、危険な暑さになる日が多くなりました。暑さの原因となっているのが、太平洋高気圧とチベット高気圧の2つの高気圧です。高さの違う2つの高気圧が上空で重なり合って"ダブル高気圧"となり、非常に背の高い一つの高気圧のようになって、厳しい暑さもたらしました。

8月に入ってからも各地で厳しい暑さが続いていますが、この先10月にかけても平均気温は全国的に平年よりも高く、残暑の厳しい日が多くなりそうです。特に8月中旬から下旬にかけて、フィリピン近海の対流活動が活発化することで太平洋高気圧が強まり、偏西風の蛇行によってチベット高気圧が本州付近への張り出しを強めるため、"ダブル高気圧"となり危険な暑さとなる時期がある見込みです。 9月以降は例年であれば太平洋高気圧が次第に日本の南東に後退し、偏西風帯が南下してきて、北日本から涼しい空気に覆われる日が次第に多くなっていきます。しかし、今年の秋にはラニーニャ現象が発生する可能性があり、その影響で9月を中心に太平洋高気圧の本州付近への張り出しが平年より強く、偏西風帯の南下も平年より遅れるため、季節の進行が遅れる予想です。このため、全国的に平年よりも気温の高い傾向が続く見込みです。

昨年9月の平均気温は全国153の気象官署等のうち仙台や東京、名古屋、大阪など100以上の地点で観測史上1位を更新するなど、過去にない高温となりました。これは、太平洋高気圧が平年よりも強い状況が続いたことに加え、偏西風が平年よりも北寄りを流れ、日本付近は暖かい空気に覆われやすかったことが影響したとみられます。また日本近海の海面水温が記録的に高かったことも影響したと考えられます。今年も太平洋高気圧の張り出しが強く、偏西風帯の南下が遅れる予想となっているため、昨年に匹敵する高温になるおそれがあります。暑い期間が長くなるため、体調管理に気をつけてください。

[Link]8~10月の気温傾向

2つの高気圧とラニーニャ現象の見解

(1)太平洋高気圧:本州付近への張り出しが強まる
8月は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年より強い見込みです。このため、全国的に暖かい空気に覆われやすく、気温は全国的に高くなる見込みです。ただ、フィリピン近海の対流活動が弱まり、太平洋高気圧が後退し、暑さが和らぐ時期もありそうです。

(2)チベット高気圧:8月中旬から下旬に日本付近への張り出しが強まる時期がある
チベット高気圧とは、北半球の夏季にチベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高気圧です。8月中旬から下旬に、太平洋高気圧の勢力が強まるのと同時期にチベット高気圧も日本付近に張り出しを強め、残暑が厳しくなる時期がある見込みです。

(3)ラニーニャ現象の発生で残暑が厳しくなる可能性も
秋にラニーニャ現象が発生する可能性があります。その場合はフィリピン近海の対流活動が活発化する影響で太平洋高気圧の勢力が強まり、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、平年よりも気温が高くなることが予想されます。

[Link]今年の猛暑ピーク時の天気図イメージ [Link]ラニーニャ現象の模式図

※その他、全球の平均気温が高くなっていることや、北日本周辺の海水温がかなり高いことも、暑さの要因になりえると考えられます。

エリアごとの見解 8~10月の平年との気温比較

エリア

平均気温

8~10月の暑さ見解

北日本

平年より高い

8月:
気温は平年より高い予想です。湿った空気や低気圧の影響で暑さの収まる日はあるものの、晴れて暑い日が多い見込みです。
9月:
気温は平年より高い予想です。季節の進行が平年より遅く、暖気に覆われやすい見込みです。ただ、前線や湿った空気の影響で東北を中心に大雨となる日もあるとみられ、暑さの収まる日もある予想です。
10月:
気温は平年より高い予想です。天気は周期的に変わりますが、低気圧通過後の寒気の流れ込みは弱く、暖かい日が多い見込みです。

東日本

平年より高い

8月:
気温は平年より高い予想です。湿った空気や低気圧の影響で暑さの収まる日はあるものの、晴れて暑さの厳しい日が多く、熱中症に注意が必要です。にわか雨や雷雨が発生しやすい日もあり、天気の急変にもご注意ください。
9月:
気温は平年より高い予想です。前半を中心に高気圧に覆われて晴れて残暑の厳しい日が多いでしょう。後半は、前線や湿った空気の影響でぐずつく時期があり、暑さの収まる日が次第に多くなる見込みです。
10月:
気温は平年より高い予想です。天気は周期的に変わりますが、前半は太平洋側を中心にぐずつく時期がありそうです。暖かい空気に覆われやすい見込みです。

西日本

平年より高い

8月:
気温は平年より高い予想です。湿った空気や低気圧の影響で暑さの収まる日はあるものの、晴れて暑さの厳しい日が多く、熱中症に注意が必要です。にわか雨や雷雨が発生しやすい日もあり、天気の急変にもご注意ください。
9月:
気温は平年より高い予想です。前半を中心に高気圧に覆われて晴れて残暑の厳しい日が多いでしょう。後半は、前線や湿った空気の影響でぐずつく時期があり、暑さの収まる日が次第に多くなる見込みです。
10月:
気温は平年より高い予想です。天気は周期的に変わり、暖かい空気に覆われやすい見込みです。

沖縄

平年より高い

8月:
気温は平年より高い予想です。晴れて暑い日が多いですが、にわか雨や雷雨の起こりやすい時期もあるでしょう。夜間も気温が下がりにくく、寝苦しい日も続きます。こまめに水分を補給するなど熱中症対策をしっかり行ってください。
9月:
気温は平年より高い予想です。晴れて暑い日が多いですが、低気圧や湿った空気の影響で暑さが和らぐ時期もありそうです。
10月:
気温は平年より高い予想です。高気圧に覆われて晴れて暑い時期と、湿った空気や低気圧の影響でぐずつく時期とがあるでしょう。真夏日は次第に少なくなっていく見込みです。

※本予報は8月9日時点のものです。

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